時々、「WordPressはもう古いんじゃないの?」といったことを耳にすることがあります。結論から言うとシステムとして利用する目的やスキルによってWordPressが「古い」「時代遅れ」ということはないと思います。
WordPressが「古い」と言われる理由やどういった人に向いているかといった点、またWordPressが抱えている新たな問題について解説します。
目次
WordPressが抱えている問題
ACF(Advanced Custom Fields)というプラグインを作っていたWP Engineという会社と、WordPressを運営しているAutomattic(WordPressの開発元)という会社の間で、権利関係などを含め2024年10月、訴訟問題が発生しています。詳しくはこちらの記事で解説しています。
こういった対立から、WordPressユーザやコミュニティの間で不安が広がりオワコン説がささやかれるようになった可能性もあるかと思います。
WordPressが「古い」と言われる理由
世界の40%以上のサイトがWordPressで作られていると言われますが、運用面でのデメリットがWordPressはもう古いという流れに影響を与えてるかもしれません。
- 機能が増え過ぎた: ユーザー数が多いため、多様な機能が追加され、設定が複雑になったという意見があります。使わない機能も搭載されているため操作が複雑に感じるのかもしれません。
- アップデートが面倒: セキュリティ対策や新機能のための定期的なアップデートが必要ですが、これを手間だと感じるユーザーも多くいるようです。
- ノーコードツールの台頭: プログラミング知識がなくてもウェブサイトが作成できるノーコードツールが増え、WordPressの利用率が低下しているという見方もあります。
WordPressの「進化している」点
ただ、以前と比べて利用者が大幅に増えたためにWordPressをはじめるハードルが下がっているとも言えるかと思います。例えば、10年前ではWordPressのインストールは公式サイトからダウンロードして、サーバを借りて、データベースを作ってインストールしたWordPressと紐付けて、、といった作業を全て自分で行う必要がありましたが最近のレンタルサーバでは数クリックでWordPressが利用できるようになりました。
また、Gutenbergと呼ばれるブロックエディターによってページ作成が初心者にも直感的にしやすく変わってきています。
- 導入のしやすさ:レンタルサーバで簡単インストールなどの機能が提供されWordPressの利用がすぐにはじめやすくなりました。
- ブロックエディターの大幅な改良: Gutenbergと呼ばれるブロックエディターが搭載されて、直感的な操作でページを作成できHTMLやCSSを知らない人にもページが作成しやすくなりました。
- 新しいテーマの追加: 最新のデザイントレンドを取り入れた新しいテーマが定期的に追加されています。
- プラグインの豊富さ: ユーザのニーズにあわせた多様な機能を追加できるプラグインが数多く存在し、カスタマイズしやすくなっています。これは他のツールにはない大きなメリットかと思います。
WordPressを使うべきか、他のツールを使うべきか
どちらを選ぶかは、目的や操作スキルによって違ってくるかと思います。
WordPressを選ぶべきケース
- 高度なカスタマイズを行いたい
- 豊富なプラグインを活用したい
- コミュニティが活発で、情報収集がしやすい
例えば、情報配信を目的としたメディアサイトやアフィリエイトサイトの他、会員向けのクローズドサイトを作りたい、カート機能を使いたいといったブログやWebページ以外の機能を使用する目的がある場合は他のノーコードツールよりもWordPressはカスタマイズの選択肢が多くあるかと思います。逆にこれほど多くカスタマイズができるプログラムの知識がなくても使える初心者向けツールはまだないと感じています。
Webサービスをゼロからたちあげるためには多くの知識や技術が必要になり何からはじめたらいいか迷う事もあるかと思います。また、WordPressよりもいい!と聞いてサービスを使い始めたものの日本語の情報が少なく調べるのに時間がかかる、、といった事も起こるかもしれません。その点、WordPressはWeb上の情報や書籍、コミュニティのサポートなどリソースも多いため、特にITになじみにない人には手軽にはじめやすく運用でぶつかる問題を解決しやすいシステムだと思います。
他のツールを選ぶべきケース
- 簡単かつ迅速にウェブサイトを作成したい
- 特定の機能に特化したツールを探している
- Webサイト・ページの表示を軽くしたい
機能的なものにこだわらずシンプルなWebサイトや1枚のシングルページのみを作成したい、ページの追加・更新を頻繁に行わない場合はWordPressにこだわる必要はないかと思います。よくWordPressの代替として話題になるノーコードツールのStudioや直感的に使用できる【ペライチ】などのサービスがあげられます。フリープランや無料お試し期間などを活用して使い勝手を比較検討してもいいかもしれません。
コードを書かずにWebサイトの構築・公開・運用が完結するノーコードWeb制作プラットフォーム「Studio」
簡単にホームページ作れる「ペライチ」
プログラミングや技術者としての選択肢
WordPressは世界で最も利用されているCMSであり当面その地位を保ち続けると思いますが、他のツールも進化しており、WordPress一択という時代ではなくなっているかと思います。
これからプログラミング技術を取得しようとしている人にはWordPressで使っているPHPプログラムよりも現在はReactやVue.jsといったフレームワークが主流のため、今後のニーズに沿った新しい技術を取り入れていくことが重要です。
結論
個人的に初心者向けのWebサイトの立ち上げツールとして、WordPressは需要がなくなることはすぐにはないと思っています。
ただし、これからAIサービスなども増え続け、WordPressよりも新しく使いやすいツールが出てくる可能性は高いと考えられます。他のツールとの比較検討は常に必要です。ご自身のニーズに合わせて、最適なツールを選びましょう。