人生 100年時代なんて言われますが、定年後もなんらかの仕事を続けていくことを検討している方も多いのではないでしょうか。50代、60代でひとり起業を考えるのは、これまでの経験を活かしつつ、ご自身のペースで働ける大きなチャンスです。
私自身、会社員から40歳で個人事業主として活動を始めたのですが起業したことで得られたものや、想像しない壁にぶちあたることも多くありました。
今回は、シニア世代がひとり起業する際のメリット・デメリット、そして運営面で考えられる懸念点について、具体的に整理してみました。
目次
シニア起業のメリット(強みを活かす)
| メリット | 具体的な内容 |
|---|---|
| 豊富な経験・スキル・人脈の活用 | 長年の会社員生活で培った専門知識やノウハウ、業界内の人脈がそのまま事業の強みや信頼につながります。 |
| 自分のペースで仕事ができる | 定年がなく、勤務時間、場所、仕事内容を自分で決められるため、体力や生活スタイルに合わせて働けます。 |
| 生きがい・社会とのつながり | 社会との接点を維持し、自己実現ややりがい、生きがいを持つことができます。 |
| 資金面の余裕 | 若年層に比べ、貯蓄や退職金など、自己資金に余裕があるケースが多く、融資の担保にできる場合もあるかと思います。 |
| 初期費用を抑えたスモールスタート | 店舗や従業員を持たず、経験を活かしたコンサルティング業やオンライン事業など、低コストで始めやすいです。 |
シニア起業のデメリット(留意すべき点)
| デメリット | 具体的な内容 |
|---|---|
| 収入の不安定さ | 会社員と異なり、売上がすぐに上がるとは限らず、事業が軌道に乗るまで収入が不安定になるリスクがあります。 |
| 体力的な負担 | 起業当初は、準備から営業、実務まですべて一人で行うため、長時間労働や不規則な生活で体調を崩すリスクがあります。 |
| 再チャレンジの難しさ | 失敗した場合、年齢的に再就職が難しく、老後資金を大きく失うリスクがあります。 |
| 新しい技術への適応 | デジタル化が進む中で、IT スキルや最新のトレンド、技術への対応が遅れると、ビジネス展開のハンデとなる可能性があります。 |
| 過去の成功体験への固執 | 過去の肩書きや成功体験に縛られ、時代の変化や顧客ニーズに合わせて柔軟に事業を変化させられないことがあります。 |
運営面で考えられる懸念点(リスク回避のために)
事業を始めてから直面しやすい具体的な懸念点と、その対策です。起業前に意識しておくことで回避できる問題も多いかと思います。
集客・マーケティング
【懸念点】
会社員時代の知名度や人脈に頼りすぎると、事業拡大に必要な新規顧客の獲得や継続的な集客ができない可能性があります。
【対策】
オンライン集客の習得:ホームページ、SNS、ブログなど、デジタルツールを活用した集客方法を学び、実践することが不可欠です。最近は動画やSNSで集客やマーケティング手法を気軽に学べる環境があるので便利かと思います(ただし、あやしい情報商材や詐欺なども同じようにあふれているのでしっかり見極めることが大切です)
ターゲットの明確化:誰の、どのような課題を解決するのかを絞り込み、効果的なメッセージを発信します。自分の得意分野にしぼってアピールすることで効率的に活動することができます。
契約・法務・税務関連の手続き
【懸念点】
経理や税務、契約書作成などのバックオフィス業務をすべて一人でこなす必要があり、慣れない作業に時間を取られたり、ミスが生じたりするリスクがあります。
【対策】
専門家の活用:税理士や行政書士など、プロに頼むとやはり安心です。専門家に相談することで、煩雑な手続きや法的なリスクを回避することができます。
クラウドツールの導入:クラウド会計ソフトなどを導入し、効率化を図ります。各サービスでサポート付きのプランなど用意している場合もあります。
孤立とメンタルヘルス
【懸念点】
ひとり起業はすべての判断を自分で行うため、相談相手がおらず、不安やストレスを一人で抱え込みやすくなります。
【対策】
相談相手を持つ:家族、友人、または起業家コミュニティ、商工会議所、地域の支援機関など、事業について話せる環境を確保することが大切です。数は多くなくてもよいので、信頼できる相談相手が身近にいることが精神的な助けになることも大きいと思います。
謙虚さと柔軟性の維持:自分の専門外の意見にも耳を傾け、新しい知識や若手起業家の成功事例を学ぶ姿勢を持つことで交流の枠がぐんと広がります。
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50代、60代の起業は、ご自身のキャリアの集大成として非常に魅力的です。これまでの知識や経験を最大限に活用することで得られるやりがいも大きいのではないでしょうか。「スモールスタート」と「健康管理」を最優先にし、計画的に進めることが成功への鍵となるかと思います。
